2022年09月25日

【琥珀の秋、0秒の旅】

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麦野カヤトは、高校の修学旅行で北海道の函館を訪れていた。
内気で友達のいない彼にとって、クラスメイトたちとの旅行は苦痛でしかない。
それでも周りに合わせてグループ行動を続けていた、そのとき。

世界の時が止まった。

まるで神様が停止ボタンを押したみたいに、通行人も、車も、鳥も、自分以外のあらゆるものが静止した。
喧騒が消え、静寂だけが支配する街のなか、
動ける人間は麦野カヤトただ一人……かと思いきや、もう一人いた。
地元の不良少女・井熊あきら。

「あんま舐めたこと言ってたらぶっ殺すかんな」

口調も性格もキツい彼女は、麦野とは正反対のタイプ。
とはいえ、この状況では自分たち以外に動ける者がいない。やがて二人は行動を共にする。

「琥珀の世界」ーー数日前に死んだ麦野の叔父が、そう呟いていたことを麦野は思い出す。
叔父の言葉は、世界の時が止まったことに関係しているかもしれない。
そう思い立った二人は、時を動かす手がかりを求めて、叔父の家がある東京を目指す。

時が止まった世界のなか、二人きりの旅が始まった。







夏へのトンネルは個人的に終わり方があまり好きじゃなかったんだけど、これは良かったのではないかなと思う。

停止した世界で旅していく中でお互いがだんだん打ち解けていく部分とか自然だったと思うし、苦楽を共にしたらやっぱり絆は生まれるよね。

ただ結局残っている謎もあって、でも多分それは気にしたらダメなやつの気もする。


井熊さんは巻き込まれた側だから停止の解除には全く関係なくてカヤトがほんの些細な希望とも呼べないものを抱いた瞬間にあっさり旅が終わるのは「人間ちょっとした事で前向きになれる事ってあるよね」という事を示唆しているのかなと思った。
まぁ逆も然りな部分もあるんだけど。
で、巻き込まれた側だからこそ記憶はそのままだったんじゃないかなぁと推測。
あの後例のノート見せて友達に戻れたのかも気になるけどご想像にお任せしますなのできっと大丈夫に違いないと思っておく。

欲を言うなり停止が解除されてからの井熊さんの視点で物語を見たかった。
突然シーンが飛ぶから間に何があったのか気になるじゃん。







at 21:00│Comments(0) タイトル(か行) 

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