2021年04月
2021年04月29日
【春夏秋冬代行者 下】

『春』の少女神雛菊には生涯の忠誠を誓う剣士が居た。名を「さくら」
職位は代行者護衛官。
愛する主を拐かした者へ、悲劇を傍観していた者へ、自分達を傷つけた全ての者に復讐すべく刀を抜く。
主を守って死ぬと決めた。
だからもう迷わない。
師と仰いだ男への恋慕は捨てた。
これより先は、覚悟ある者だけが進める戦場なり。
いざや、春の舞を踊ろうぞ。
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2021年04月28日
【春夏秋冬代行者 上】

世界には冬しか季節がなく、冬は孤独に耐えかねて生命を削り春を創った。
やがて大地の願いにより夏と秋も誕生し、四季が完成した。
この季節の巡り変わりを人の子が担うことになり、役目を果たす者は“四季の代行者”と呼ばれた―
いま一人の少女神が胸に使命感を抱き、立ち上がろうとしている。
四季の神より賜った季節は『春』
母より授かりし名は「雛菊」
十年前消えたこの国の春だ。
雛菊は苦難を乗り越え現人神として復帰した。
我が身を拐かし長きに亘り屈辱を与えた者達と戦うべく従者の少女と共に歩き出す。
彼女の心の奥底には、神話の如く、冬への恋慕が存在していた。
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2021年04月27日
【桜のような君に、僕は永遠の恋をする】

演劇部に所属する高2のコウは、自分の台本が上演されるのが夢。
だが、何度執筆するも採用されず落ち込んでいた。そんな彼の唯一の楽しみは、よく夢に出てくる理想の女の子・ゆずきを小説に書くことだった。
ある日、屋上で舞台道具を作っていると、後ろから「コウくん」と呼ぶ声が…
振り向くと、そこにはあの“ゆずき”が立っていた。最初は戸惑うコウだったが、一緒に過ごすうちに、ゆずきは小説に書いた通りに振る舞うのだと気づく。
しかし、そんな小説の彼女との関係が続く訳はなく…
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2021年04月25日
【死を見る僕と、明日死ぬ君の事件録】

平凡な僕が唯一他の人と違うこと。
それは人の死を予告する幻影を見る力があることだ。
僕が幻影――【彼ら】について知っていることは3つ。
1、【彼ら】はやがて訪れる自らの死の瞬間を、何度も繰り返し続けている。
2、【彼ら】の姿が濃くなるほど、死の瞬間は近い。
3、【彼ら】は死の運命から絶対に逃れられない。
これは全てを諦めていた『僕』が、死の未来を背負う『君』と出会い、運命に抗うため奔走する物語だ。
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2021年04月24日
【お隣の天使様にいつの間にか駄目人間にされていた件 4】

真昼が落とした爆弾発言に騒然とする教室で、彼女の想いを計りかねる周は、真昼の隣に立つに相応しい人間になることを決意する。
容姿端麗、頭脳明晰、非の打ち所のない真昼。信頼を寄せてくれる彼女に追いつくべく、身体を鍛え、勉学に励む周。
そんな周の思惑を知ってか知らずか、真昼の方も関係性を変えようと、一歩踏み出すことを考えるようになっていた――
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