日々の糧〜感想記録〜

面白かったです。
ついに彼の過去が明らかに。




ネタバレあります。






アイザックの最終目的がずっと分からなかったんだけど「フェリクスの名前を後世に残す事」というある意味ではとてもささやかな願いであったんですね。
ただそうするとクロックフォード公爵の帝国と開戦したいって理由ショボくない？と思うんだけどそこんとこどうなんですかね？自身の孫すら踏みつけにしてまで開戦に拘るその理由が見えないんだよ。
メアリーとの邂逅のシーンでチラッと見えたかな？って感じだったけど「で？」みたいな感じでしたし。
かつて勝てそうだった帝国との戦争に父親が和平持ち出して水を差したから粛清され、結果逆転負けした事を恨んでるって事？なら次に戦争起こして勝てば溜飲が下がるという事…？
ここら辺の考えが分からないんだよなぁ。
あと開戦したい割に隠蔽工作に雑というかザルな部分ない？
フェリクスとアイザック両方に関わりのあったマーシーをまんまと逃してしまっていたし、何よりフェリクスに成り代わらせるなら元々フェリクスと交流のあった人間(エリオットやブリジット)に違和感抱かせないようにするべきでは？
その辺りの脇が甘かったせいでかなり前から破綻してんじゃんというのが露見してしまってな…


一方モニカは父親の死の真実とアイザックが第二王子に成り代わっている事に関係があった事を突き止めてしまい悩む事に。
当人が完全に悪ではないという事を知ってしまっているからどうするのか、どうしたいのかという自身の気持ちに向き合うシーンは今までの学園生活で人と関わってきたからこそ生まれたものなので引き篭もっていたときでは得られなかった物だよなぁと思う。
モニカがケイシーに「これから自分は正しくない事をする」と言っていたから例の聖杯作って第二王子は死んでいない(アイザックを本物)と証明する為に使いたいのかなと思うけどその後どう公爵を失脚させるのか。
でもこれだとフェリクスの願ったアイザックが自身で楽しいと思える事や夢中になれる物を見つけて生きてという願いは叶わなくなるよなぁとも…
モニカ一人の力では出来ない事を友達を頼る事で解決しようとする点もやはり今までの学園生活が効いてきたなと思いましたね。


というかそもそもフェリクスは自殺と言われているけど本当にそうなんですかね？
手紙には「ちょっとした騒ぎ」ってあったのにその内容が飛び降り自殺だったらちょっとしたどころの騒ぎじゃないよ大事件じゃん。
だいたいあの段階で死を選ぶ事に意味はないよね？祖父の言葉にショックはあったろうけど直前のアイザックとのやり取りで全部に絶望して世を儚むって感じじゃなかったから落ちたって書いてあった時に「なんで？」と思ったんだよ。
騒ぎのどさくさに紛れて逃げて欲しいって手紙にはあったけどそれが必ず上手く行くとは限らないし下手したら成り代わりが早まるだけじゃん？
だから不慮の事故だった可能性あると思うんだよなぁ。
マーシーが隠し持っていたフェリクスの日記の最後が分からないんだけどアイザックが誤解している事があるとするならこの点ではないかと思うんですよ。