2025年10月30日

【硝子の塔の殺人】

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雪深き森で、燦然と輝く、硝子の塔。
ミステリを愛する大富豪の呼びかけで、ゲストたちが招かれた。
この館で惨劇が起こる……。
館の主人が毒殺。
ダイニングでは血塗れの遺体。
血文字で記された十三年前の事件。名探偵・碧月夜と
医師・一条遊馬が謎を追う。
散りばめられた伏線、読者への挑戦状、驚愕のどんでん返し。











なかなか面白かったけどこれは多分もっと色々な有名ミステリ作品を読んでいるとより楽しめたのかなと思う。
タイトル名や作家名がだいぶ出て来ていたしそれらの小ネタ(?)なんかは知っていたらきっともっと面白かったのかな。

十角館の殺人の名前くらいしか分からなかったしあれそんなにハマらなかったから…

ストーリー序盤は人を殺したと独白している一条から始まるのでここからどう覆すのかそれとも罪を認めて裁かれるのか?と思っていました。
だがしかし実際は手を下した後にさらに自分の関与していない事件が起きて混乱。
自分の殺人もその後の犯人に擦り付けようと自称名探偵の助手に名乗り出てそのポジションに収まるが…


あらすじにどんでん返しとあるけどそこまで意外な真相だったかなぁ?というのが正直な所。
これはなぜたか漠然とずっと怪しんでいた人物が真犯人だったからかもしれない。



ネタバレあります。











いつか名探偵が現れて事件を解決してくれることを期待していた月夜。
ある意味では純粋に求め続けていたんだと思うんだけどその名探偵に会う手段が歪んでたんですよね。
毒親(推定)を自ら葬って「これで名探偵が現れるかもしれないという」思考になるそもそもの始まりからして歪んでいる。

今回のラストで心中も辞さない覚悟で月夜の本性を暴いた一条。
このまま死んでも構わないと本気で思っていたから爆発から2人とも離脱するというのは意外な行動だったのでしょう。
でも月夜からしたら今まで理解されなかった歪みを暴き、理解してくれた一条が現れた事で自分の望む名探偵もきっとどこかにいるに違いないって希望を見出したんじゃないかなぁと思うんですよ。

自分の行動を悪だと認識していないからあっさりと名探偵として助手(一条)を助けるという選択もできたんじゃないかな。
これからは名犯人として生きるとしても。


一条が殺意を抱くまでに至った薬はちゃんと妹含む患者に処方されるようになったようで安心した。







at 21:00│Comments(0) タイトル(か行) 

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