2025年12月01日

【滅びのカラス】(烏羽色のふたりシリーズ)

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学校からの帰り道で川に落ちたことをきっかけに、人間とは異なる見た目の“じゃない者”と、いわゆる人間“ひと”が共存する不思議な世界に迷い込んだ、中学1年生の冥(めい)。
真っ黒な制服姿で突然現れた冥は「言い伝えにある、この国を滅ぼすカラスだ」と考えられ、この国の王族たちから命を狙われる身になってしまう。一緒に川に流されたはずの双子の弟・涅(くり)の行方を探すべく、冥はこの世界で出会った“じゃない者”たちや、奴隷の少年の助けを借りて世界を旅することになるが…







カテゴリが児童書のようなんだけどハードモードすぎない?
人が人以外に向ける差別、人の中でも下層に位置する奴隷への差別を見せつけられるのは中1のメイにはキツイものがあると思う。


この世界に来るまでのメイはいじめられている弟に対して「暴力でやり返すのではなく別の方法で見返せ」みたいな事を言っていたけどこの世界での差別を見て「個人の力ではどうしようもない」ものを知る事になりました。
これを知ってクリが置かれていた状況を正しく理解し基本的には「これ以上悪くならないように現状維持して耐える(でも時々限界が来て爆発する)」がどういう心理から来ていたのかも分かったようなんですよね。
人も人ではない物も慈しみの心は持っているけど向ける対象があり、万人に等しく善人は存在しない。

国を滅ぼすカラスというのが具体的に何をするのか分からないけどメイのいる国では排除対象で国単位での悪とされている今堂々と「自分はカラスだ、だからなんだ」と振る舞えるのか?

旅の同行者となるアオイは奴隷階級の少年。
メイと出会った当初は「奴隷はそういうもの」として言われた事を粛々とこなすだけ、そこに自分の意志は存在しない、生きるも死ぬも決める権利はないというスタンスでしたが、メイが死にたくないから逃げようと提案した事で諦めない姿に興味を持ち逃亡を手伝ってくれます。
段々と感情が表に出てくるようになったのは良い傾向だと思う。
というかグレドを見て河童と言ったり記憶喪失という点からメイと同じく「流れ者」なんじゃないかと思うんだけど…
だって他にグレドを河童呼びした人あの世界にいないから同じかどうかは分からないけど親しい世界から来た可能性はかなり高いと思っている。

そんなもう一人の同行者となるグレドは人とは違う姿をした者である為に差別の対象。
でも彼のもたらす商品により救われている人がいて誰納品しているのかを知っているのに人はグレドを下に見ていて利用できるものはするけどそれとこれとは別って態度に不快感を抱くメイ。
グレドが同行する経緯は明確には口にしていないけどやはりメイの存在に興味持っているからなんじゃないかなと思う。


最後に仲間になるアルモニ。
生きる為に誰かを騙すしかなった彼女だけど本当は自分が騙されたから死んでしまった両親なのにアルモニを守ろうとしたその思いを知りたかったのかなと思った。
騙したくてしていた訳じゃないでしょうとメイに言われた事で救われた部分があったんだよね。

メイはそれをしたらダメだと言われていた事をいつも最終的には破ってしまうけど中1だし救えるなら救いたいと思ってしまうのは仕方ないよね…
クリを探すという目的は未達成だけどどうやら隣の国で3年前に現れたカラスと呼ばれる存在がいるらしく…
メイの制服のスカーフどこ行ったんだろうと思っていたけどクリが持ってたんですね。
そして3年というズレが発生したのは何故なのか。
仮に元の世界に戻れるとしても双子の年齢は離れてしまったし…
何より「冷酷なやつ」と呼ばれるまでに何が起きたのか気になります。


アオイがメイと一緒にいた事で両親に会いたいという願望を抱けるようになったのは良かったしちょっと心の距離が近付いたのは個人的にツボです。






at 21:00│Comments(0) タイトル(は行) | タイトル(か行)

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