2026年01月15日

【魔法のない世界で生きるということ】

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私のせいで親友は死んだ。だけど死者を蘇らせる方法はある。
あとは生贄だけ。
あの時から、私の長い贖罪の日々は始まった。

魔女と共に生きる街、ウルガルズ。
魔法学校に通うベナ、サラ、そしてネモラは、禁断の魔法が書かれた本を見つける。
その本いわく、想い人に会えるという『魔女の涙』がウルガルズの大樹にあるという。
興味津々の彼女たちは、三人は一緒に大樹へ向かうが、そこには危険が潜んでいて...。
これは切なくて寂しい、「死者を蘇らせる禁忌術」と3人の魔女と生贄の少年の物語。







面白かったです。

作中出てくる死者蘇生の方法の1つとして魔法のない世界で再会するというものがあったので最終的にそうなるのかな?と思っていたんですがサラとハル以外にとっても「魔法のない世界」になったので二重の意味があったんだなと思いました。


序盤は仲良し3人組が偶然見付けた禁忌の魔法が書かれた本を見付けた事で危険にならない範囲で書かれている事が本物か確かめようとしたんですけどそれが悲劇の始まりになってしまうとは…
そこからネモラを蘇生させようとサラとベナが色々手を尽くすけどそう簡単に行くはずもなく、そのうちにネモラの魂が摩耗してしまいそれに耐えられなくなったサラがネモラの願いの通りに解放してあげたのにそれを認められないベナとすれ違ってしまうのは可哀想でした。
それだけベナにとって大切な存在で作中語られたようにその気持ちがサラより大きかったという事なんだけど、再び死ねない呪いに縛られてしまったネモラを思うとツライ。
しかもこの時は意思疎通ツールが無かったからどう感じていたかが分からないのが怖い。
次に意思疎通出来るようになった時はベナを許す発言しかしてなかったから…自分が殺して欲しいとサラに頼んだ、しか言わなかったしね。


ベナの執念で肉体は再生されたけど魂を再び繋ぎ合わせる為に必要なモノを生者から奪うしかないと結構した瞬間にたまたま居合わせてしまったサラ。
理不尽に奪われる命とベナを殺人者にしない為に行った命の共有がまさかあんな事になってしまうとはという感じでした…
ハルは最後まで共有の事を知らなかったけどサラに育ててもらった時間は確かに幸福な物だったと思うからあんな最期は可哀想すぎると思ったんですよね。

取り返しのつかない事をしてしまった事にようやく気付いたベナがサラの最期に「再会の魔法」を発動していたのを知りその後押しをする為に全ての魔力を使う決意をするのも良かった。
この世界ではもう幸せになれなくても魔法のない旧世界への転生(?)が叶えば2人はもう一度出会えるって色々考えて実行してくれたから悪人ではないんだよなぁと。
2人の関係は恋愛で結ばれていたものとは違うけど旧世界では幼馴染で同年代だからそういう未来もあるかもしれないですね。

そして魔力を失ったベナにとっても今いる世界は「魔法のない世界で生きる」になった訳だけど、最後に出会ったレッドはある意味全ての始まりの人物な訳で。
最初偽物を疑うけど「楽しそうにしている姿が好き」と言われたからユシルの蘇生は望まずに自分が楽しめる事をしていると告げられ本物である事を悟ったのでしょう。
死者蘇生に血眼になってる姿なんか楽しそうじゃないだろ?という発言はベナにとって耳の痛い話だったのではないでしょうか。
でも何知らない相手から言われた事で本当に吹っ切れた部分もあると思うのでベナも魔法を失くした世界で今度こそ前向きに生きられるようになるんじゃないかなと思う。



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BW



at 21:00│Comments(0) タイトル(ま行) 

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